実施報告

開催日: 2020年6月4日

第8回「コロナウィルスと共に生活するための社会システムをデザインする」

投稿日:2020.04.04 カテゴリー:実施報告

【 第8回 】 
「コロナウィルスと共に生活するための社会システムをデザインする」
2020年6月4日(火)19:00 オンライン開催
講師:横山 禎徳氏(社会システムズ・アーキテクト、元・東大EMP企画推進責任者、元・マッキンゼー東京支社長)

【 講師略歴 】
社会システムズ・アーキテクト、HBMS (Hiroshima Business and Management School)県立広島大学経営研究科科長。
東京大学工学部建築学科工学士 (1966)、ハーバード大学大学院都市デザイン修士(1972)、マサチューセッツ工科大学経営大学院修士 (1975) 。
前川國男建築設計事務所等で設計に従事後,1975年マッキンゼー・アンド・カンパニー入社。87年ディレクター,89年から94年まで東京支社長。2002年退職。その後,独立行政法人経済産業研究所(上席研究員),産業再生機構(非常勤監査役),東京電力福島原子力発電所事故調査委員会委員(2012年)を歴任。東大EMPを2008年に立ち上げ2019年まで企画・推進責任者(2016〜2018特任教授)。エアウィーヴ(現任)他、数社の社外取締役を歴任。
現在、イグレックSSDI代表、ひろしまイノベーション推進機構投資スーパーバイザー、東京大学総長室アドバイザー、築地本願寺評議員を兼務。
主な著書に『組織』、『社会システム・デザイン−組み立て思考のアプローチ』、『東大エグゼグティブ・マネジメント デザインする思考力』『東大エグゼグティブ・マネジメント 課題設定の思考力』(2冊とも共著,東京大学出版会),『循環思考』(東洋経済新報社),『アメリカと比べない日本』(ファーストプレス),『「豊なる衰退」と日本の戦略』(ダイヤモンド社),『マッキンゼー合従連衡戦略』(共著,東洋経済新報社),『成長創出革命』(ダイヤモンド社),『コーポレートアーキテクチャー』(共著,ダイヤモンド社),『企業変身願望−Corporate Metamorphosis Design』(NTT出版)。その他,企業戦略,組織デザイン,リスク・マネジメント,戦略的提携,企業変革,社会システム・デザインに関する小論文・記事多数。

【 概要 】
1990年初頭のバブル崩壊時に経済の再生はこれまでの縦割りの産業論から脱し、産業横串の動態的な「社会システム」の枠組みの視点からデザインし直しの発想に転換すべきと考え、数年かけてデザインのアプローチを開発した。それを社会的テーマに当てはめ、アプローチの普遍的妥当性を検証してきた。
まず、1992年に新築・ハードウェア中心の住宅産業ではなく新旧一体の住宅ストックを充実させるための住宅供給システムのデザインを試み、その後、医療関係者、官僚、その他の参加者と医療システム・デザインを行い、原発に関する国会事故調のメンバーとしての経験を基に原発システムをデザインした。その他、長寿時代のためのライフステージ・マネジメント・システム、政治家の質向上のためのキャリア・デベロプメント・システムなどのデザインもしている。
デザインは「学問」ではなく、高度スキルであり、その「身体知」を身につける訓練を官僚の方々に行っている。「社会システム・デザイン」は官僚が身につけるべきスキルと考えるからだ。
COVID-19は我々の思考、価値観と行動を変えるだろうとみんなが感じているが、「これからあれへ」という思考による予測はほとんどはずれるだろう。現実の我々の行動は「あれがあるが、これもある」、あるいは「あれがあるからこれがある」という、素直な展開になるであろう。そのような行動を明確にし、推進するための「社会システム・デザイン」が求められる時代だ。