実施報告

開催日: 2025年2月4日

第37回 伊藤俊治先生 「写真誕生200年1825-2025/写真的感性と工学・光学・化学」

投稿日:2025.01.15 カテゴリー:実施報告

【概要】

今年2025年は写真が発明されて200年にあたります。ニセフォール・ニエプスによる世界最初の写真「窓からの眺め」は、フランスのリヨンに近い片田舎シャロン・シュル=ソーヌで1825年に撮影されました。その撮影地サン・ルゥ・ドゥ・ヴァレンヌ村での実地調査、及びリヨンで発明された映画の発明者リュミエール兄弟の工場調査も踏まえ、写真と工学・光学・化学の繋がりや、写真映像の浸透により人間の感性がどう変貌してきたのかを振り返ります。3世紀にまたがり写真映像は科学技術と密接に関係し発展してきました。その”写真眼(フォト・アウゲ)”の光跡を辿りながら、「見えるものの記録」から「見えないものの生成」へ切り替わってゆく写真の未来を探ってゆきます。

【ご略歴】

1953年秋田生まれ。東京大学文学部美術史学科卒業、東京大学大学院人文科学研究科修了(西洋美術史専攻)。多摩美術大学情報デザイン学科教授を経て東京藝術大学先端芸術学科教授。現在、東京藝術大学名誉教授、多摩美術大学客員教授、京都芸術大学大学院教授を務める。著書は『写真都市』(冬樹社)『ジオラマ論』(リブロポート/サントリー学芸賞受賞)『機械美術論』(岩波書店)『電子美術論』(NTT出版)『情報メディア学入門』(オーム社)など百冊を超える。国際美術展企画に「四次元の知覚」(オーストリア)「CHIKAKU」(スペイン)など多数。1985年つくば科学博写真美術館構想立案、1990年大阪花と緑の博覧会写真美術館企画立案、1995年NTTインターコミュニケーションセンター基本計画及びコミッティ、2005年愛知万博基本構想及び基本計画立案、2010年上海万博日本産業館(INAXゾーン)計画立案、資生堂ギャラリー・アドバイザー、ニコンサロン運営委員などを歴任。ルーブル美術館「未来の美術館」(パリ)、ポンピドゥ・センター「仮想の構造」(パリ)など海外講演も多数。