講師 東原 和成(とうはら かずしげ) 先生(東京大学大学院農学生命科学研究科教授)
【略歴】1989年東京大学農学部農芸化学科卒業. 1993年ニューヨーク州立大学ストーニーブルック校化学科博士課程修了Ph.D.
。デューク大学医学部博士研究員、東大助手、神戸大助手、東大助教授を経て、2009年より現職。2012-2017 JST ERATO 東原化学感覚シグナルプロジェクト研究総括。日本学士院学術奨励賞、日本味と匂学会賞、国際Right Awardなど授賞。共書として「ワインの香り」(虹有社)など
【概要】
空間に存在する匂いは、多くの動物にとって貴重な情報で、匂いのコミュニケーションで社会が形成されてます。一方視聴覚優位に進化したヒトの社会では、嗅覚は五感の中でもなくてもいい感覚の筆頭で、消臭消臭と匂いを消したがります。しかし、料理をおいしく食べ、季節の移ろいなどを感じるには嗅覚は必須ですし、心地よい空間には、嗅覚を含む五感からの入力がバランスよく存在します。本講演では、嗅覚x社会x進化という切り口で、においの空間を科学してみようと思います。