実施報告

開催日: 2022年7月14日

第26回 野村 泰紀先生:なぜ宇宙は存在するのか

投稿日:2022.06.29 カテゴリー:実施報告

【第26回】
なぜ宇宙は存在するのか
2022714日(木)1900オンライン開催

講師:野村 泰紀(のむら やすのり)先生(カリフォルニア大学バークレー校教授・バークレー理論物理学センター長)

【講師略歴】

カリフォルニア大学バークレー校教授。バークレー理論物理学センター長。1974年生まれ。1996年、東京大学理学部物理学科卒業。2000年、東京大学大学院理学系研究科物理学専攻博士課程修了。理学博士。米国フェルミ国立加速器研究所、カリフォルニア大学バークレー校助教授、同准教授などを経て現職。ローレンス・バークレー国立研究所上席研究員、東京大学カブリ数物連携宇宙研究機構連携研究員も務める。著書に『マルチバース宇宙論入門』(星海社)、『なぜ宇宙は存在するのか はじめての現代宇宙論』(講談社 ブルーバックス)など。

【概要】

夜空を見上げたとき、そこに広がるのは広大な宇宙です。この宇宙はどこからもたらされたのでしょうか?そしてこの先どのような運命をたどるのでしょう?私たち宇宙の「外側」は一体どうなっているのでしょうか?万物を統一的に説明することのできる理論候補として期待されている「超弦理論」。この超弦理論に代表される最新の理論物理学の発展によって、私たちの想像を絶する驚くべき宇宙の姿が示されることが分かってきました。本講演では、私達が全宇宙と思っていたものは、実は無数の異なる法則に支配される「宇宙たち」(マルチバース)の内の一つに過ぎないという「マルチバース宇宙論」を紹介します。また、こうした従来の宇宙観を全く変えてしまうような世界像の転換と近年及び将来の重要な宇宙論的観測、特に暗黒エネルギーと呼ばれる時空の持つ不思議な性質の発見、私達の宇宙の「曲率」の実験的探索などとマルチバースとの関係についても解説します。